パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

すげーおもしろいです。 キングコングでものび太の恐竜2006でも足りなかったオレの童心が久々に満足しました。


この作品、3作目への引きの部分を除いてみると話の焦点になるのはウィル、ジャック、ノリントンのデッドマンズチェスト争奪三つ巴チャンバラ大会でありまして、前半は全部この状況に持ち込むための前フリでしかないです。なのにそれがやたら長い上に前作よりもコメディー色が強まっているものだから「あれ、何でこんな馬鹿なことやってんだっけ?」ってなことに。
チャンバラ大会の方だって似たようなもので、それまでは時に協力しあってきた3人がお宝を前にしたとたんサーベル抜きあってチャンチャンバラバラをおっぱじめ、馬鹿じゃないのと思ったエリザベスに石投げられても完全に無視。というか気づいてもいないと。で、この辺のシークエンスに非常に自覚的に表されてるわけですが、この作品は“男の子たちがえんえん遊んで遊んで遊び続けてる話”なのであります。

こんな時間が永遠に続くんじゃないだろか、という幸福な錯覚を起こさせてくれる世にも稀な映画でした。小難しいテーマも思春期的切なさも無く、センスは10歳男子並。調子がよければ6部作にするとか言ってるらしい。そう、そのくらいがちょうどよかろうともです。ぐだぐだになるまでだらだらと続けることに意味のある映画もあるんだもの。そしてこれはそういう映画なんだもの。遊びの時間はまだまだ続くのだ!


その他よかったところ
イカが。PJ版キングコングはあまりにせわしないモンスターパニックぶりに怪獣映画としては十全に楽しめなかったんだけれど、こっちのイカはでかさも強さもじっくりと見せてくれる。予告の大イカにときめくような奴は全員見に行くがいいと思うですよ。
・ ブラックパール号はあらためて見てみるととても美形。でもギミック満載のフライングダッチマン号はそれ以上に楽しい。帆船で急速潜航・急速浮上をやる無茶ぶりがイカす。それから艦首の回転カノン砲。ぐるぐる回るよ。
・ ウィルたちが入れられた球状の檻とジャックが縛られた棒、それから軸を外れて転がっていく水車といった与えられたアイテムに対して、それらを使って出来る遊びは全部やってしまおうという姿勢。ミッキーマウスの短編アニメとかを連想。
西インド諸島にいるわけが無い黒人の原住民。PJ版キングコングには譲るものの、すごくステロタイプ土人
ノリントン元提督のせいで、きたない男萌えブームが顕在化しそうな気がする。
・ エリザベスマジで最悪。だがそれがいい