http://d.hatena.ne.jp/kaien/20120524/p1
Something Orangeさんの記事すねー。
以下思ったこと。


「真実が描かれている」って刺さるでいいんじゃねーの?って思ったけど『ベストセラー・ライトノベルのしくみ』は読んでないのでよくわからん。でもブギーポップハルヒも刺さる話ではあるけど泣ける話じゃなかったしな。


『日常』とか『男子高校生の日常』も話の前提に、人生は絶対絶対うまくはいかないからね!っていう筋金入りの真実があって、その辺がよいとこですよねー。


しかしそれはそれとして、『僕は友達が少ない』という作品について言うならば、「真実が描かれている」ことにあぐらをかかず、そのうえでありったけの工夫が試みられていることのほうが見所なんじゃないすか。だから面白いのだと。
そのへん、『僕は友達が少ない』は、平穏な日常のなかに人生におけるたくさんのことを描いた『ラノベ部』全3巻の、その次に描かれた作品として、それらしいなあと思います。
それから、高度化する電撃文庫作品にたいするカウンターとしてのMF文庫Jのエースとしても、それらしい感じ。(自分のラノベ史観はこんなん→http://togetter.com/li/194423


僕は友達が少ない』の見所って言うと、
・通常の1.5倍速でさくさく読めるト書き風文体。
・巻末で鬼ビキして次巻冒頭でスカす割り切った作劇。
・ひたすらクソガキであるマリア。
・好意の矢印をあっちにもこっちにも出している星奈。インフレおこすほどの愛情。
・5巻、叙述トリック的萌えキャラ成立逆転ホームラン。
・5巻、恋情を一秒で切って落とされた理科の巨大フォント絶叫。キャラクターが輝いている……。かつてみた巨大フォント芸のなかでも最高。これがアートですよー。
・6巻、理科とメールでやりとり。
・7巻、仮にも萌えコメのメインヒロインである夜空に、たいへん「人間」的な失敗をさせ、キャラ格をぶっ壊し、しかもそれによって固定化しかけていた立ち位置から自由になって「キャラクター」としてもプラスになってる。やることがタツジンすぎる。
・7巻、兄貴の見ていないところで勝手に成長している妹。
らへんか。
こうしてみるとやはり視点がヒネているな。いけませんね。でも俺とて理科かわいいでは余人には負けぬのだよ!