2013年面白かったものメモ

メモ程度で。

13年は石川博品の当たり年であり、夜闇に濃密なアトモスフィアがけぶる真夏の恋『ヴァンパイア・サマータイム』、ヨタとしか思えないタイトルを膨らませながら信じられないくらい確かな実在感のある別世界を出現させる『後宮楽園球場』、それに部活アンソロジーに書き下ろした短編「地下迷宮の帰宅部」がまた圧巻の出来栄えでした。


ジブリの両巨匠の新作。せっかく同時代に生きてるのだから映画館で見とこうかなと思って見に行ったところすげえ面白かったですね。両作ともにスタッフの力量を生かしつつキャラクターや表現に過去作にない工夫があり良いです。


この世界がゲームだと俺だけが知っている 1

この世界がゲームだと俺だけが知っている 1

web発のファンタジーは今ばんばん書籍化されてますけど中ではこれが一番好きです。ゲームの世界であることを前面に押し出してハチャメチャをやる作風は、フォーチュンクエストや極道くん漫遊記あたりと方向性が近い感じ。2巻収録の書き下ろし中編が絶品でした。
 

女子バレー部でエースの幼馴染を中学生男子の視点でフェティッシュに追いかける作品。デカ女萌え。大ゴマでばーんとフェティッシュな描写をしてくるんだけど、見開きの時は画面の広さを活かしてふたりを取り巻く空気を描写していてこれがしみじみと良いっす。


巡ル結魂者1 (講談社ラノベ文庫)

巡ル結魂者1 (講談社ラノベ文庫)

秋田禎信の新作。異世界に転移した高校生が現地の事情に巻き込まれ系の話。枯れたベテランのてなぐさみとかじゃなくてエンタメとして充実しつつ、女性陣の人格や魔法の描写に洗練と積み重ねを感じます。とくに魔法描写は見ものですよ。


ゴッサムシティのB級ヒーローの活躍を描くシリーズ。アクション&バイオレンス、時には沈鬱な展開もありますが基本的にはカラッと痛快で、ユーモアを忘れず、多彩なエピソードがあって世界の奥行を感じます。犬溶接マンも出る!


ひきだしにテラリウム

ひきだしにテラリウム

むちゃくちゃにハイレベルなショートショート短篇集。どの話もいいんですけど、猫が化粧をする「かわいくなりたい」、食べたメシの説明をしようとしているもののまったく伝わらない「すごい飯」、とりわけ中学生達がうさぎ国の歴史の深い闇にふれる「遠い理想郷」がよかったです。


PVは2012年から公開されてましたけど本編は今年から。アメリカ製のCGアニメで、全寮制魔法学校を舞台にしたアクションもの。とくに目もとの演技の豊かな感情表現と、おっそろしくキレのある超絶かっこいいアクション、さっぱりした性格のキャラたちが魅力。CGの女子はかわいいなあ!


メカクシティレコーズ

メカクシティレコーズ


女子かわいいという点では13年ベストカワイイは「夕景イエスタデイ」の榎本貴音でした。カゲプロの楽曲群の一作なので今年の作品と言っていいのかは微妙なところですが。狷介な女子の不器用な青春の一幕であり、目つきの悪さやなんか変な髪型や華奢だけど肩幅広くてしっかりした骨格や、そのすべてが素敵で愛おしいです。


そのほか、今年はダイアナ・ウィン・ジョーンズの空中の城シリーズの3作目『チャーメインと魔法の家』や、十二国記の新作短編も出ましたし、いくえみ綾の『プリンシパル』の最終巻も素晴らしかったです。
普通に継続してる作品だとまずは『僕は友達が少ない』の9巻の大きく変化はしたものの前進や発展と言えるのかは謎な、ヘンテコな人間関係がたいへん好印象でした。あとは『魔術士オーフェン』『ニンジャスレイヤー』『まりかセヴン』『ばらかもん』『大砲とスタンプ』あたりの新刊もよかったですね。


今年は新作も追いつつ積み本も崩していきたい所存です。がんばるぞー。