ニンジャスレイヤーのアニメがはじまるので原作未読なら覚えとくとちょっといいと思うポイント

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

ニンジャスレイヤー 秘密結社アマクダリ・セクト (不滅のニンジャソウル # 1)

ニンジャスレイヤー 秘密結社アマクダリ・セクト (不滅のニンジャソウル # 1)

ニンジャスレイヤーは現在第三部が絶賛連載中でして、第一〜第三部ではジョジョの奇妙な冒険ほどではありませんがカラーに違いがあります。
今回アニメ化されるのは第一部ネオサイタマ炎上編、ニンジャスレイヤーと言うダークヒーローの復讐の戦いに焦点を絞った渋くてカッコいい話です。
多くの敵味方が入り乱れる第二部キョート殺伐都市編や、大河ドラマ的な広がりを見せる第三部不滅のニンジャソウル編と比較してよりシンプルで力強いパートでありますが、そのぶん舞台背景となる設定なんかはサラっとしか触れられないことも多いんですよね。
そのような第一部ではチラっと名前が出てくるだけの設定のなかでも、これは押さえておいたほうがより楽しめるんじゃないかなと自分としては思ってるポイントがありまして、なにかってーとY2K電子戦争です。


ニンジャスレイヤーの世界の近現代史は1999年までは現実の世界とほぼ同じなんですが(ただし古代・中世史はまるっきり違う)、2000年を境に大きく歪むことになります。
んでその発端がY2K2000年問題なのです。
覚えてますかY2K。なんかコンピューターがバグるからヤバいとかいうやつ。とくに何も起こらなかったY2K


ニンジャスレイヤーの世界ではY2Kによって全世界のコンピューターが連鎖爆発し、これによって多くのエンジニアも命を落としたためにコンピューター関係の技術が著しく後退もしくはブラックボックス化しました。近未来都市ネオサイタマの情報技術の基幹をなしているのはIRCであり、ハッカーたちは互いのタイピング速度を競いあっています。


Y2Kとそれに続いたIPアドレス枯渇問題が引き起こしたのが電子戦争でした。この詳細不明ながら多くの国家と大企業を巻き込んだらしい戦争を経た結果、
1 磁気嵐と殺人マグロにより海外からの渡航が著しく限定された日本の鎖国
東京湾を埋め立てた巨大都市ネオサイタマの成立とキョート共和国の独立による日本国という枠組みの後退
3 暗黒メガコーポと呼ばれる大企業群の支配力の伸長
4 戦争を通じたサイバネティクス技術の飛躍的な発展
という出来事が起こりました。


また、ニンジャスレイヤー第一部のスタート時点で電子戦争の終結から10年経っていないらしく、ニンジャスレイヤーが描いているのは戦後のネオサイタマ社会なんですよね。
電子戦争の終結により戦争に投じられていた技術と人とエネルギーがネオサイタマへと流入、それによってもたらされたのが、
1 戦闘義肢や脳へのLAN直結といったサイバネティクス技術の民間への拡散
2 様々な違法ドラッグの蔓延
3 ヤクザの台頭
でした。ネオサイタマの治安がメチャメチャ悪いのにもきちんと理由があるのです。


これらに加え瀕死の人間が人知を超えた力を備えて復活するニンジャソウル憑依現象もまた、何故かY2Kを境として加速度的な増加を始めたと言われています。Y2Kに実際何が起きたのかはいまだ明らかになっておらず、これはあるいは第3部のクライマックスと関係してくるのかもしれません。


以上のようなネオサイタマの時代背景を前提とした上で、ネオサイタマ暗黒社会を勝ち抜きついに制覇するに至ったのがラオモト・カン率いるニンジャヤクザ組織ソウカイ・シンジケート、通称ソウカイヤです。
ソウカイヤの誇る威力部門“シックスゲイツ”には戦争の影を感じさせるニンジャが散見される他、初期に登場する主要なシックスゲイツのニンジャは戦闘部隊としての印象が強い一方で中盤になると中間管理職的な組織人としての傾向が強まるなど時期による色調の違いがあり、シックスゲイツのたどった組織の歴史は第一部の裏の主要プロットとなっていると思います。


こんなところでしょうか。そのほかユカノ株を買うときは長期的な視点が必要とかも気に留めておくといいかもしれませんが、あまり突っ込んだことを言うと過度のネタバレになるのでこれ以上はやめておきましょう。
4月16日(木)の配信開始が楽しみですね!ではでは。


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