最近の読書とか

フルメタ新刊。大変に面白く、事前にのめりこんでおかなかった事がもったいなくなる。フルメタとは出会い方が悪かったというか、最初の1冊を本屋での立ち読みで読破して以来、本当に本腰を入れては読んでこなかったように思う。残念である。
さておき。いよいよクライマックスではあるのだけど、話の展開のものすげー90年代陰謀論系SFアクションっぷりにちょっと笑う。箇条書きにするぞ。

○作品世界における世の中の不幸とかゆがみとかの原因が、社会システムとかじゃなくてかなり具体的な何かとして存在していて、それがダンジョンの最奥にある
○上記の何かは、作品世界の異常に発達した科学・魔法技術の源泉である
○そんでもってそれは、なんでか知らんけどイコール女の怨念である
○ヒロインが巫女化。非常に手が焼ける

エヴァ封神演義もARMSもRAVEもFFの7とか8とかもオーフェンちょーシリーズもそんな話。うしおととらやケイオスヘキサもかなり近いし。


シグルイ新刊。問題の箇所を声に出して読み上げながらヤングブラザーと共に爆笑。原作の駿河城御前試合も現在人に借りて読み中。緩みの無い文章でたいへん面白いです。
ところで

コックピットを破壊されたM9が
なおも標的を狙撃することが可能であろうか
ものを思うは操縦兵ばかりではない
パラジウムリアクターにも記憶は宿る
マッスルパッケージとて人を恨むのだ

なんてなウルズ6はどうか。


・『クレヨン王国 月のたまご』読み中。パート1だけでいったん完結してる。のでそれ以降は読んでも読まなくてもいい感じ。いや読むけど。パート1は序盤から緩み無くぶっ通しで傑作ファンタジーで、言語選択のセンス、荒唐無稽な小エピソード群、電波ポエム、どれをとってもすごいってかすさまじー。手を出してなかったのは不覚としか。とくに1〜2章での中学受験に失敗して落ち込む→やけのやんぱちで謎めいた三郎青年の軽トラに同乗&恋の予感→霧を抜けた先の見知らぬ土地で目をつぶって100カウント→見たこともないような美しい夕日と峠の向こうから歩いてくるニワトリと子ブタの凸凹コンビ、という日常の崩壊からファンタジー世界へいたる流れが一分の隙も無く美しい。死の匂いと別世界への憧れがないまぜになった「ひとさらい」ギミックがファンタジー好き的にたまらん。関連書籍は十二国記の『風の海 迷宮の岸』や『魔性の子』、『ブギーポップは笑わない』あたり。
それから三郎青年が小学6年生相手に全力すぎて怖いというかこの人だいじょぶなんだろかと思うのだが、パート2を読んでみるとこの人がひとかけらも大丈夫でないことが分かってたいへん趣深い。「まゆみ〜!」落ち着け。


十二国記の新作。冒頭の堯天の描写を読んで、マジで“帰ってきたぜ”と思ってしまった。なんかちょっと敗北感があるわ。内容は慶王登極前後の下級役人の話。最後ちょびっと出てくる陽子はまだ右も左もわからなくてまいってる時期ですが、その本性がサムライ(※世界樹の迷宮における)だとはまだ誰も知らないのでありました。あと主上はこの手の頭のよい女の子がずいぶんと好きですね。


世界樹の迷宮をみんなやってて俺もやってみたいなと思うんだけどDS持ってないのでした。2万越えるとそこそこの出費だしな。どうしよっかな。


・『海が聞こえる』は中学の時に図書館でかりて読んだ。当時の俺はまだ性的な意味では物心ついたといえるかどうかもあやしいラインであったけれど、この本が俺の人格に影響を与えた事は間違いないと思う。


・マルタ・サギーの新刊。マルタ、強くてニューゲームするの巻。バーチがかわゆすぎるので死にます。
野梨原さんはファンタジーと魔法に関するセンスはずば抜けてて、ちょー魔王でのマジックマスターの召喚とか溜息が出るよな名シーンだ。ただ、細かい設定を詰めていくタイプの人で無いので、異世界全体のイメージに関しては薄らぼんやりとしたものになりがちで、それはこのシリーズでも同様なんだけど、今回女王陛下の立ち位置が明確に示されたために、ようやくオスタスという街のキャラクターが立ち上がったと思いました。まあ、はっきり示されるまで理解してなかった俺もアホだけど。


・マルタの再起動するダメ人間という主人公像は、戦闘城塞マスラヲとか、あと、ええと、劇エヴァとかあげてもいいけど、うっかり大人になってしまったオタにはクリティカルなテーマであり、個人的にはオーフェンを思い出すし、俺たちは就職しないとならないっつーか、むにゃむにゃ。