ラノベの悪役についての散漫な

良い悪役と悪い悪役について
http://togetter.com/li/457286

ラノベにおける名悪役については時々考えていたりします。
悪役に限らずキャラクターの偉大さって大きく分けて、存在の「大きさ」「稀さ」「確かさ」に+して好感度の4つだと思うんですが、ええとフジリュー版『封神演義』で説明します。
つまり、作中最大の盛り上がりを見せた仙界大戦編のボス敵であり、かつ殷王朝・金ゴウ島の2大敵組織の代表としてその大きさ・強さ・正統さといったプラスの価値を一身に背負っていた聞仲は、その存在が作品の構図と融合しているがゆえに存在の大きい敵キャラだったと言えると思うわけです。
一方で、メインヒロインと暫定ラスボスを兼ねていた妲己は史上稀にみる悪役であったと思います。
また、超公明は仮に出てこなくても大きく影響のないキャラクターではありますが、しかし確固としたキャラを貫くさまには強いインパクトがありました。趙公明はド派手なキャラですけど、地味なキャラでもちょっとした描写の中にキャラの把握の確かさがあると、後々まで記憶に残りますよね。
なおこの3人の中では、長く登場して作品を引っ張り続けた功績や、ラストの鮮やかな逃げきりをかんがみて妲己がトップ悪役だと思います。つーか妲己はジャンプ史上の名悪役十傑とかやってもランクインすると思いますが。あと3人とも好感度はとりたてて高いタイプじゃないと思います。


さて。ライトノベルって悪役らしい悪役が登場しづらいジャンルなのかもしらんなーと以下の記事を読むと思うわけですが。

私はどうしてライトノベルが苦手だったのか
http://www.ne.jp/asahi/otaphysica/on/column130.htm

外部視線からみたラノベとはなんぞやについての考察で、なんど読んでもいい記事です。
たしかにオーフェンとかリアルバウトとか封仙娘娘とかのアクションものでさえ、考えていくうちにわけわかんなくなって「もうちょっと悪役らしい悪役おらんのかいな?」「そんな簡単な話じゃねーんだよ!」なんてな脳内問答が交わされたりします。まあオーフェンもヘルパート&ライアンとか地味ながらイイですけどね。まあさておき。
それでもさすがにジャンル全体で探すと名悪役もいます。


銀河英雄伝説」から、滅ぼす事のかなわぬ恐るべき邪悪にして民主主義社会の生んだ怪物、ヨブ・トリューニヒト。
ロードス島戦記」から、作品世界の社会状況と人間関係に深く、長く、食い込んで大きな存在感を持っていた、灰色の魔女カーラ。
スレイヤーズ」から、ラノベにおけるザ・魔王であり、ベッタベタな魔王らしさを備えながら、この作品独自の世界設定の面白みの根幹でもあった、赤眼の魔王シャブラニグドゥ。
「ケイオスヘキサ三部作」から、悪意と混沌と嘲笑と反社会性の権化にして虐殺アーティスト、G.G.スレイマン
ブギーポップ」から、ゲスな小悪党の抱えていた怒り、存在の悲しさ、その最期が強く記憶に残る、スプーキーE。ブギーポップは平凡な男子高校生にして世界の敵であった早乙女正美もよいですけどね。
フルメタル・パニック」からフルメタ前半の立役者であったゲジ眉系暴狂イケ中年、ガウルン
「ソード・アート・オンライン」から、鉄と悪意の巨大なかたまりアインクラッドの無慈悲な支配者であり、また世界の種をまく者であった、茅場晶彦


この辺はラノベ史にのこる名悪役だったと思います。
アザリーやラッド・ルッソも好きなんですけどこの辺は悪役といえるかどうか微妙なラインですね。
ラノベ史の悪役十傑とかやりたいところではあるんですが、自分はシャナも禁書も戯言も読んでないしシュピーゲルも1冊しか読んでないのでちょっとむつかしいです。誰かやってください。
禁書は話聞く限り麦野沈利がすごい気になるんですが。