ガッチャマンクラウズみた。

ガチャクラみました。序盤は言うほど体温アガんなかったんですけどさすがに評判の7話はとてもよかったです。


まあやっぱベルク・カッツェですよね。台詞回しと声の演技最高。
卑近な現実にも怠惰な日常にも遠大な理想にも囚われることのないカッツェは作中でもっとも正気度の高いキャラになりますよね。極めて正常なセンスを持ち、超常の力を振るい、しかもぶっちぎりでクズい。
やーああいう誰よりも正気だけど驚くほどクズみたいな奴は嫌いになれませんというか大好き。うおー好きだー。
そもそもメシウマとか人類が自らの手で滅びるところが見たいとか、そういうのってある種の零落した正義ですよね。カッツェがガッチャマンのノートを持ってるのもうなずける話です。何を醜いと思うかの感覚は正常なんすよこのひと。少なくとも正常が正常である事を誰が保証してるのかを問うたりはしない。そういうのはカッツェの役割ではなくて、カッツェは価値の惑乱者ではない。
もちろんカッツェって実際やってることは小悪党っつーか、普通に一般人ぶっ殺したりとかしてるので普通に断罪されて滅ぶかもしれませんけど、どっちかというとカッツェ生存ルートが見てみたいっすねー。
その場合はダークナイト路線というか、『武装錬金』のパピヨンが都市伝説として最終回後の街に君臨したように、街に暮らすすべての人にとっての実態を伴わぬ隣人みたいな立場になるんじゃないかと思いますが。カッツェ基本人類のこと好きでしょうし。


カッツェに匹敵する正気度のキャラはもちろん主人公はじめちゃんですねー。職務的な責任感に突き動かされるばかりで視野の狭い清音くんは、立場や思い込みに囚われずに新しいものの見方を提供できる一ノ瀬はじめの正気度の高さに気がつけない。
あとはスマホの電源切っちゃうとかからは、実際的な世間知も武器のひとつにしてるキャラのようにも思われます。世間知は体系だてていない様々な方法論を経験則から積み上げたものであって、方法論のコラージュですね。器の大きさと世間知が武器なあたりスーパー系普通主人公の一種といえますかねこの子。
ただまあ視点を変えてみるのも世間知をいかすのも、当座の難しい問題をするっと解決して見せることはできますけど射程距離は短いですよね。そのへんは無限射程の刃をもつ清音くんやロケット推進の丈さんが担当するのかもしれません。


いまんところありそな決着点は、ガッチャマンの超暴力・立川の地方行政・世間知・GALAXの自助ネットワーク・隣人としてのカッツェが並立して、それぞれに出力方法の異なる正義のコラージュでなんかむずかしい問題をなんかしようみたいなとこに落ち着くのかなーと思います。
ラスボス候補としていちばん厄そうなのは総裁Xかしらん?


そのほかですと、まーとにかくパイマンのスーツがカッコいい。カプルみたいな頭足人フォルムがキュートだしあとタイヤメカいいですよね燃えますよねグリモルディとか。あと丈さんもいいですよね、一番ニンジャっぽくて怖・重・渋いカッコよさがある。挫折ヒーローの死にたみもよし。味わい深くまたセクシーです。挫折からの再点火燃えに期待が高まります。